いろ電話研究所の研究日誌

イオンモバイル050かけ放題を Poly Edge B30 で使う

2022-09-26 15:03
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イオンモバイル のオプションサービス、050かけ放題 をアナログ固定電話機で使えるようにする、Poly Edge B30 に設定して使用する方法を紹介する。

イオンモバイルの 050かけ放題は、050 plus の NTTレゾナント(2022年7月に NTTコミュニケーションズからサービス移管)が提供する 050 IP電話サービス、050 plus の OEM版(050 VoIP SDK)を使っており、少し特殊な設定が必要なものの、標準的な仕様の SIP が使える電話機から使うことができる。

050かけ放題の SIP情報

050 plus では SIP情報をちょっとしたウラワザで取得する必要があったが、イオンモバイルの 050かけ放題の場合は、契約時に渡される イオンモバイル通信サービスお申し込み完了通知書 に SIP情報(の一部)が記載されている。(契約後にアクセスできる、イオンモバイル・マイページでも同じ内容を確認できる)

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050電話番号、ユーザID、パスワードが書かれている。050 plus の nicNm に相当するのは、fmc + (050電話番号から先頭の 050 を除いたもの)、sipID がユーザID、sipPwd がパスワードになる。

ここに記載がないが、SIP Domain は 050sdk.com、SIP Outbound Proxy は kar2-f2fcp.050sdk.com:443 が使われている。

Poly Edge B30 の設定

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Poly Edge B30 は廉価グレードIP電話機で、SIP 6回線を収容できる。価格は $120前後、日本国内で約2万円弱で販売されていて、以前紹介した Grandstream GXP1625GRP2613 より少し上のグレードと言える。液晶は白黒。

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Edge B30、B20、B10 の 3兄弟で、B30 と B20 は PoE に対応なので、PoEハブに接続すると LANケーブルだけで使うことができる。ACアダプタでも使えるが別売りなので、PoE がない場合は 5V/1A の ACアダプタを用意する必要がある。(B10 は PoE非対応なので、ACアダプタとセット販売になる。付属する ACアダプタの仕様違いのため、仕向地向けにパッケイジが異なる)

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LANケーブルを差し込むと自動で電源が入り、すぐに立ち上がってくる。

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IPアドレスは DHCP で取得する。取得した IPアドレスは、ホームボタンSettings で確認することができる。

画面に表示された IPアドレスにブラウザからアクセスすると設定を変えることができる。デフォルトのユーザ名、パスワードは、どちらも admin。初回ログイン時に、adminユーザのパスワードを変更する。

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画面表示は一応、日本語にも対応しているものの、液晶画面が小さすぎてほとんど切れてしまって見づらい上に、翻訳も間違っていて(月7月18 ってなに?)、日本語表示にしても日付フォーマットは英語用しかないなど、使い物になるとは思えないので英語のまま使うことにする。

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管理画面にアクセスする。

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左のメニューから、Service ProvidersITSP Profile AGeneral を選択する。

Default のチェックを外し、Nameaeon050 と入れ、Submit をクリック。

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メニューから、SIP を選択する。

ProxyServer の Default のチェックを外し(以下、省略)、050sdk.com と入力。

OutboundProxykar2-f2cp.050sdk.comOutboundProxyPort443 と入力、X_OutboundProxyTransportTLS を選択する。

RegistrationPeriod600 と入力。Submit をクリック。

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メニューから、Voice ServicesSP1 Service を選択する。

X_DisplayLabel に電話番号など、識別できる文字列を入力する。(画面表示に使われるだけなので何でも良い)

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AuthUserName に設定情報のユーザID、AuthPassword にパスワード、URI に fmc + 050電話番号の下8ケタ @ 050sdk.com と入力する。

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X_SRTPUse SRTP Only を選択し、Submitをクリック。

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リブートして設定を反映させる。

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SP1 Service Status の Status が Registered になって SIP REGISTER できていることがわかる。

コーデックの設定

イオンモバイルの 050かけ放題ではコーデックとして ITU-T G.729A しか使えないのでコーデックを設定する。

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メニューから、CodecsCodec Profile A を選択する。

G711U CodecG711A CodeciLBC CodecG722 CodecOpus Codec の各Enable のチェックを外し、Submitをクリック。

画面右上の、Rebootをクリック。30秒ほどでリブートが完了する。

LINEキーに割り当て

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メニューから、IP PhoneLeft Line Keys を選択する。

Key 1ServiceSP1 を選択する。Submitをクリック。

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ntp で時刻合わせ

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メニューから、System ManagementWAN Settings を選択する。

NTPServer1/2time.google.com などの公開NTPサーバのアドレスを入力する。

LocalTimeZoneGMT +09:00(Tokyo, Seoul) を選択する。

DaylightSavingTimeEnable のチェックを外し、Submitをクリック。

Poly Edge B30 から発信

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Poly Edge B30 から携帯電話に発信。

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すこし見づらいが、050かけ放題の電話番号、050-3778-xxxx から掛かってきていることがわかる。通話も問題なし。

Poly Edge B30 で着信

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スマホの Lala Call から 050かけ放題を収容した Poly Edge B30 へ発信。

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見づらいが、Lala Call の電話番号、050-7xxx-2500 から掛かってきていることがわかる。

もちろん、通話も問題なし。

Poly Edge B30 の足

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Poly Edge B30 はこのようなシックなダンボールで包装されている。

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箱の中は、本体、受話器、カールコード、LANケーブル、足。

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付属の足がよくできていて、リバーシブルに使えるようになっていて、この向きだと、

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全体が平たくなって、

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逆向きにすると、

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立ち気味に使える。

まとめ

Poly Edge B30 は Grandstream の電話機と違ってサクサク動作し、設定項目が多いものの、液晶画面の解像度が恐ろしく低くて見づらいので使っていてチャチい感じが否めない。

一応は日本語表示対応になっているが、解像度が低すぎる液晶画面との相性が悪くて使い物にならず、英語表示で使うことになると思う。

設定でスクリーンセイバーを有効にしないと、液晶のバックライトが点灯しっぱなしで机に置いてあるとうざったく感じる。

2倍近い価格差を考えると、Grandstream GRP2613 のほうがオススメと言える。

イオンモバイルの 050かけ放題は、OCN 050 plus とほぼ同じ仕様で ISPフリーで使えるため、イオンモバイルの回線で使う必要はない。この記事の執筆で、NTT西日本フレッツ光ネクストと SoftBank系ISP(PPPoE) の組み合わせという仕様の回線を使用している。

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※1 : TLS が使えない。ポート番号を 5060以外に変えられない。SRTP が使えない。G.729aコーデックが使えない。
※2 : G.729aコーデックが使えない。


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