いろ電話研究所の研究日誌

ひかり電話を Poly VVX250 で使う

2022-07-27 11:11
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以前の記事で ひかり電話を Grandstream HT802 で使う方法YAMAHA NVR510 で使う方法スマホアプリの PortSIP UC で使う方法Poly Edge B30 で使う方法を紹介してきた。

この記事では SIP電話機の Poly VVX250 を、ひかり電話HGW(ホームゲートウェイ) に接続してひかり電話の内線電話機として使うための設定を紹介する。

なお、本記事では NTT東西のフレッツ光ネクストの利用者がレンタルできるひかり電話HGW を例に紹介しているが、各社光コラボ回線や SoftBank光のホームゲートウェイ(N)でも設定方法は基本的に変わらない。(SoftBank光の光電話(N) を光BBユニットで使っている場合などは異なる)

Poly VVX250 とは

Poly VVX250 は米国カリフォルニア州poly社が製造販売する汎用の SIP電話機で、日本ではあまりメジャーではないものの、米国では同社の製品がウォルマートでも販売されているなど、一定の知名度がある。

poly はかつては Polycom というブランド名で、日本でも出始めの頃(2000年代前半)のリモート会議用のスピーカーフォンなどで定番だったこともある。

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今回紹介する poly VVX250 は SIP 6回線(OBi版ファームウェアの場合)もしくは 34回線(UC版ファームウェアの場合)を収容できる SIP電話機で、新機種の poly Edge B シリーズの元になったとも言えるデザインで、ボタンの数や性能などはほぼ同じだ。poly Edge B30 に比べると液晶の解像度が高くてカラーになり、無線LAN で接続することもできる。

いまは poly のブランド名で売られているが、元は poly が買収した OBIHAI Technology が開発販売していた電話機で、初期のハードウェアでは昔のブランド、Polycom の銘板のものもある。

2バージョンのファームウェア

poly VVX250 をはじめ、VVXx50シリーズでは 2系統の機能の異なるファームウェアが存在する。一つが、Polycom UC Software でもう一つが、Polycom OBi Edition Softwareだ。以下本記事では、UC版、OBi版と呼ぶ。

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2つのバージョンの見分け方は、バージョン情報を見たときに、6.4.3.5156 のようなリビジョンの最後が 4ケタの表記なら UC版、6.4.1.1 のようなリビジョンの表記なら OBi版がインストールされている。

本記事では、UC版ファームウェアをインストールした本体を使用する。

実は内線機能があるひかり電話の HGW

こちらも再掲となるが、NTT東西のひかり電話、光コラボ各社の光回線の 0AB~J IP電話サービス、SoftBank の光電話(N) などを使うとき、NTT東西や光コラボISP からレンタルする HGW(ホームゲートウェイ)には、アナログ電話機を使うための FXSポートが 2クチ付いてくる。

いま使ってるアナログ電話機をこの FXSポートに差し込むだけで、加入電話とほぼ同じように使うことができるようになっている。

市販のコードレス電話機などを使えば、コードレス電話機の機能で電話機同士の内線通話などができるようになっているが、実は HGW 自体にも内線通話の機能があって、2 つの FXSポートにつないだ電話機同士で内線通話をすることができる。

それだけでなく、この HGW はとても高機能な機械で、簡易な SIPサーバも搭載しているので SIP対応の IP電話機も子機として使うことができる。

FXSポートにつないだアナログ電話機 2台と IP電話機(最大5台まで)の計7台は外線を共有し、かつ互いに内線通話することができるので小規模な事業所だとビジネスホンすら要らなくて、この HGW の内線機能だけでもある程度の業務はできてしまう。

SIP対応の IP電話機(Grandstream、Yealink、Cisco などの各種製品はある)や、スマホにインストールした SIP対応VoIPアプリ(Grandstream GS Wave など)から使うことになる。

HGW の設定

まずは、HGW で SIP電話機を収容するための設定を行う。

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HGW の設定画面(http://ntt.setup/、http://192.168.1.1/ など)にアクセスし、電話設定、内線設定の画面に進む。

内線番号一覧のうち、上の 2行が HGW の FXSポート、下の 5行が SIP電話機用になっている。

使っていない SIP電話機用の行の、編集をクリックする。

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端末属性を 音声専用端末 に、ダイジェスト認証を 行う、にして 内線番号ユーザIDパスワード をメモする。

設定 をクリックすると設定内容が保存されるので、戻る をクリックして一覧に戻る。

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情報DHCPv4サーバアドレス払い出し状況SIPサーバアドレス内線REGISTERドメイン をメモする。

Poly VVX250 の設定

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本体で ホーム6 設定4 ステータス2 ネットワーク1 TCP/IPパラメータ で表示される IPv4アドレスにブラウザからアクセスするると管理画面が表示される。

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Adminユーザのデフォルトパスワードは 456 なのでログインしてから複雑なものに変更しておく。

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設定回線 へ進む。

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表示名は電話機内での識別用なので、自分でわかりやすいように HikariDenwa など、任意の文字列などを入れる。アドレスは HGW の設定情報でメモした 内線番号 を入れる。

認証のドメインの欄に ntt-west.ne.jp(NTT西日本の場合。NTT東日本の場合は ntt-east.ne.jp)、ユーザID に ユーザID、パスワードに パスワード を入力する。

発信プロキシのアドレスの欄に HGW の IPアドレス、ポートに 5060、Transport を UDPOnly にする。

サーバ1のアドレスに HGW の IPアドレス、ポートに 5060、Transport を UDPOnly、登録を はい にして 保存 をクリック。

コーデックの設定

HGW ではコーデックとして ITU-T G.711μ(PCMU) を使うのでコーデックを設定する。

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設定音声コーデックの優先順位 で使用中に G.711Mu を一番上に持ってくるようにする。

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HGW 設定画面の内線設定でも、登録状況が 登録済み になるのが確認できる。

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Poly VVX250 から発信

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Poly VVX250 から携帯電話に向けて発信。

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ひかり電話の電話番号(052-881-xxxx)から掛かってきていることがわかる。

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※1 : TLS が使えない。ポート番号を 5060以外に変えられない。SRTP が使えない。G.729aコーデックが使えない。
※2 : G.729aコーデックが使えない。


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